薄毛に悩んでいる人にとって、薄毛が回復するかどうかは非常に気になるところですよね。

薄毛を何もせずに放っておいた場合、進行することはあっても自然と回復するということはほとんどありません。

しかし適切な方法で対策を行えば、薄毛が回復する可能性はあります。

そこで今回は、薄毛回復のための治療法にはどのようなものがあるのか、おすすめの治療法とともにご紹介します。

育毛剤や外用薬でのケアで薄毛を回復

薄毛を回復するための方法として、頭皮に直接塗布して使用する「育毛剤」と「外用薬」があります。

育毛剤と外用薬はよく混同されやすいのですが、全く別物なので注意する必要があります。

両者の違いについて解説しましょう。

育毛剤

育毛剤には、血行促進や栄養補給などによって頭皮環境を整えながら、今生えている髪の成長を促進し、抜け毛を予防する働きがあります。

文字通り「今ある髪を育てる」のが育毛剤です。

予防のために使用するか、髪が細くなりボリュームが減ってしまったときや、髪のハリやコシがなくなってきたときに適しています。

育毛剤は医薬部外品であるため、薬局やドラッグストア以外の薬剤師のいない店舗でも購入することが可能です。

外用薬

外用薬には、日本で発毛効果が認められている唯一の成分である「ミノキシジル」が含有されているのが特徴です。

ミノキシジルにより血行促進や毛包の活性化を図り、発毛を促進します。

また、乱れたヘアサイクルを正常に戻すことで髪の成長を促し、脱毛の進行を抑えます。

髪を育てる「育毛剤」に対して、外用薬は発毛を促すことから「発毛剤」と呼ばれています。

AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)などの治療に使用されており、代表的なものが、大正製薬の「リアップ」シリーズ。

外用薬は「第一類医薬品」に分類されているため、医師に処方してもらうか、購入時に薬剤師から質問・説明を受ける必要があります。

外用薬には副作用のリスクがあるため、使用に際しては十分に注意しなければなりません。

主な副作用は、頭皮のかゆみ・かぶれ・動悸・めまい・頭痛など。

使用中に異常を感じたときは、すぐに医師か薬剤師に相談しましょう。

専門外来では内服薬も買える

薄毛を回復するための治療薬には、外用薬の他に内服薬があります。

AGA(男性型脱毛症)の治療に使われる内服薬をご紹介しましょう。

プロペシア(フィナステリド)

プロペシアは、フィナステリドを有効成分とする薬です。

AGAの原因である「DHT」の生成に必要な酵素「5αリダクターゼⅡ型」を阻害する働きがあります。

ザガーロ（デュタステリド）

ザガーロはデュタステリドを有効成分とする薬です。

ザガーロは5αリダクターゼのⅠ型・Ⅱ型両方の働きを阻害する働きがあり、DHTの生成を抑制します。

「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」においても、男性型脱毛症にはプロペシア・ザガーロの内服を強く勧めていますが、女性は使用できません。

また、性欲減退・勃起障害・射精障害などの男性機能障害、肝機能障害の副作用の可能性があるため、使用する際は十分に注意しましょう。

ミノキシジルタブレット

ミノキシジル含有の薬には、「ミノキシジルタブレット」という内服薬もありますが、日本では外用薬のみ承認されており、内服薬は承認されていません。

しかし、一部の専門クリニックではミノキシジルタブレットを処方してくれるところもあります。

ミノキシジルの内服薬は外用薬よりも効果が高いと言われていますが、副作用の危険性が十分検証されていないため、日本皮膚科学会による診療ガイドラインでも内服を行わないように強く勧めています。

ミノキシジルタブレットを使用する場合は、医師のもとで行うようにしましょう。

鍼灸院での鍼や、整体院も薄毛回復の選択肢のひとつ

薄毛回復のための選択肢のひとつに、鍼や整体があります。

鍼とは、医療用の鍼を刺入してツボを刺激することで、症状や不調を改善する施術です。

もう一方の整体は、骨格の歪みやズレを矯正することで、血行を促進や様々な症状の改善を図ります。

どちらも、薄毛になるには体のどこかに何らかの原因があると考え、まずはそれを突き止めることを重視しています。

その上で、適切な施術を行うことによって根本原因を取り除き、薄毛を回復させていくというのが基本です。

根本原因を残したまま治療を受けても、なかなか思うような結果に結びつかないことも多いのです。

また、薬を使った治療では副作用のリスクや、薬の使用をやめると効果がなくなり元に戻ってしまうというデメリットがありますが、鍼や整体ではそういった心配がいらない点も嬉しいですよね。

既に治療を始めているという場合は、治療と並行して鍼や整体を取り入れていくのもよいでしょう。

鍼と整体は、根本から薄毛回復を目指したいという方におすすめです。

薄毛回復の為にはまずはプロに相談を

薄毛回復のために最初にしておきたいことが、「プロへの相談」です。

プロに相談すべき理由は、次の3点。

1．自分の薄毛について正確に知る

AGAやFAGAなのか、皮膚疾患からくる脱毛なのか、病気による脱毛なのか、薄毛や脱毛の種類によって対処法も全く変わってきます。

まずは、自分の薄毛がどんなものかを知ることが重要です。

2．薄毛の原因を知る

薄毛を回復するには、根本原因を把握する必要がありますが、自分ではなかなかわからないもの。

プロに本当の原因を突き止めてもらい、そこから改善していくことで薄毛回復につながりやすくなります。

3．早く適切な対策をとる

AGAやFAGAは進行性であるため、薄毛が気になり始めたらできるだけ早く対策を始めることが肝心です。

自己流で間違った対策をとってしまうと、効果が出ないどころか薄毛が進行してしまう可能性も…。

最初からプロに相談して最適な対策をとることが、薄毛回復の一番の近道かもしれませんね。

まとめ

薄毛は適切な治療法や対策を行うことで、回復する可能性があります。

薄毛の治療法を大きく分けると、育毛剤やミノキシジルの外用薬など頭皮に塗布する方法と、プロペシア・ザガーロなどの内服薬を使用する方法の2種類。

ただし、薬を使った治療には副作用のリスクがあるため、用法・用量をきちんと守り、十分に注意して使用するようにしましょう。

また、薬を使わない回復方法として「鍼」や「整体」があります。

どちらも人によって異なる薄毛の原因を突き止め、根本から薄毛を改善していきます。

治療と並行して、鍼や整体を取り入れてみるのもおすすめです。

どの方法を選ぶにしても、まずはプロに相談するのがベストです。

ご自分の薄毛のタイプや本当の原因、最適な対策をプロに教えてもらい、薄毛回復を目指しましょう。