ただでさえ不安な抜け毛、かゆみを伴うと心配はさらに増しますよね。
かゆみがひどいと何もできなくなるぐらい気になるのに、頭皮ではどうなっているか直接状態を見て確認することもできません。
不安な気持ちでいっぱいになるのは、当たり前です。
頭皮のかゆみを伴う抜け毛は、どのような理由で引き起こされるのでしょうか?
原因と注意点をご説明します。
頭皮のかゆみを伴う抜け毛は乾燥が原因なの?
体がかゆくなる原因の1つに、乾燥がありますよね。
皮膚の潤いが不十分となり、本来ならきちんと並んでいるはずの角質層が乱れた状態になってしまうことで引き起こされます。
角質層は肌組織が規則的に整列して、さらに下にある組織を保護する働きをしています。
ただし乾燥すると剥がれたりめくれたりして肌理(きめ)が損なわれ、十分にその役割が担えなくなります。
体外のささいなことが刺激として内部に伝わり、かゆいという感覚が生じます。
通常の皮膚と違って、頭皮には毛穴がたくさんあります。
皮脂、そして汗がよく分泌され、乾燥しにくくなっています。
しかし頭皮も皮膚である以上、乾燥の心配がまったくないわけではありません。
乾燥ダメージは頭皮環境の悪化を招き、もちろん抜け毛の原因にもなります。
抜け毛の原因にはさまざまなことが考えられますが、かゆみを伴う抜け毛は乾燥によって引き起こされていることがよくあります。
頭皮がかゆいのは皮膚疾患の可能性も
かゆみは吹き出物や肌荒れ、赤みなどと並んでよく起こる、肌トラブルの1つ。
原因には間違ったスキンケア、合わない化粧品の使用、アレルギーなどの他に、皮膚疾患があります。
頭皮のかゆみも皮膚疾患で引き起こされている場合があるので、注意が必要です。
脂漏性皮膚炎は頭皮のかゆみを伴う、代表的な皮膚疾患です。
皮脂の過剰分泌により、頭皮にカビの1種が繁殖することで引き起こされます。、
皮膚にもともと常駐しているマラセチアが多量の皮脂で過度に増えることで、皮膚炎が起こります。
抜け毛と共にフケが増えたりかゆみを感じたら専門院へ
頭皮にかゆみが生じたら、脂漏性皮膚炎の疑いがあります。
これらの皮膚炎はかゆみと一緒にフケも増えると言う特徴があります。
脂漏性皮膚炎は湿ったフケを生じる皮膚炎。
悪化すると脂漏性脱毛症へと進行するので、頭皮の異常としてかゆみとフケが一緒に気になるような場合は十分な注意が必要です。
脂漏性脱毛症は生活習慣から引き起こされることが多い脱毛症です。
早期のうちに適切な対処をすることで、重症化させずに改善することができます。
反対に対応が遅れるとどんどん進行し、本格的な薄毛になり、改善が困難に。
髪の毛の健康・若々しさ維持のため、脂漏性脱毛症が疑われるような場合は早めに専門家に相談しましょう。
ヘアカラーなどの接触性皮膚炎にも注意
頭皮のかゆみは、ヘアカラーによって、もたらされる場合もあります。
ヘアカラーは脂漏性脱毛症と同じようにかゆみを伴う、接触性皮膚炎を引き起こすことがあるからです。
接触性皮膚炎はかゆみの他に赤みや湿疹、腫れ、痛みなどの症状が現れる皮膚炎。
ヘアカラーを行っている間や直後に症状が現れる刺激性接触皮膚炎と、数時間や1~2日ほど経過してから頭皮に異常が感じられるアレルギー性接触皮膚炎があります。
刺激性接触皮膚炎は体調が悪かったなどの理由で起こり、症状も比較的早く治まります。
一時的なものとされるため、頻度や使い方に十分に注意した上で原因となったヘアカラー剤を再び使うことが可能です。
これに対して再度の使用ができないのが、アレルギー性接触皮膚炎を引き起こしたヘアカラー剤。
成分にアレルギーを引き起こす成分が含まれているため、体調や使い方に気を使って使用しても同じ症状が現れてしまうと考えられます。
刺激性接触皮膚炎はヘアカラー剤に含まれる成分が頭皮を刺激することで引き起こされます。
かゆみや赤みなどの症状が治まっても、刺激によって頭皮が受けたダメージはすぐには回復しない場合もあります。
ダメージが残った状態で次のカラーリングをしたり、他に頭皮に負荷がかかるようなことをしたりする行為は、傷口に塩を塗るのと同じ。
頭皮を痛めつけ、大打撃を与えてしまいます。
当然に薄毛も引き起こす危険が高まりますよね。
ヘアカラーなどでかゆみが生じた場合は、様子をしっかりとチェックしながら十分にケアしましょう。
皮膚科などの受診もおすすめします。
まとめ
頭皮のかゆみは乾燥や皮膚疾患、ヘアカラーなどが原因で起こります。
かゆみがあるということは、頭皮に異常があると言うこと。
かゆみは抜け毛や薄毛の原因にもなるので、適切な対処が必要です。
脂漏性皮膚炎は脂漏性脱毛症へとつながります。
またヘアカラーなどによる刺激性接触皮膚炎も、頭皮ダメージから抜け毛の原因に。
頭皮のかゆみを伴う抜け毛は、すでに頭皮が相当のダメージを受けている可能性があります。
丁寧なヘアケアで経過を観察し、必要に応じて専門家へ相談しましょう。