円形脱毛症は髪の毛が円形に抜ける病気で、10円玉くらいの脱毛斑ができるだけでなく、まつ毛や眉毛、全身すべての毛が抜け落ちるなど様々な症状があります。
軽度の円形脱毛症は自然に治ることもありますが、一度脱毛が止まって回復しても再発しやすい病気です。
今回は、円形脱毛症の再発を予防するために、自律神経のバランスを整えて免疫をあげる方法をご紹介いたします。
円形脱毛症が再発を繰り返すなら治療が必要かも
広範囲に脱毛したり、長期にわたり症状が続いたり、再発を繰り返している場合は、皮膚科で適切な治療を受けることをおすすめします。
円形脱毛症のメカニズムは明らかになっていない部分もあるのですが、現在は自己免疫疾患が原因で発症するという考えで治療が進められています。
自己免疫疾患とは、ウイルスや細菌など外部の異物から体を防御する免疫システムのリンパ球が、なんらかの原因でエラーを起こし、毛根を異物と間違えて攻撃してしまうために健康な髪の毛が抜けてしまうのです。
アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくなどのアレルギー体質は、体の免疫作用が過剰に反応しやすい状態です。アレルギーの原因物質に触れたり、皮膚のバリアー機能が低下したりすると、免疫作用が正常に働かなくなり、毛根を攻撃して円形脱毛症を再発するきっかけになることがあります。
免疫を上げる生活習慣を身に着けよう
細菌やウイルス、ほこりや汚染物質などの体に有害なものから体を守ってくれるのが、免疫という防御システムです。
加齢やストレス、食生活や運動不足、睡眠不足などの生活習慣の乱れが免疫力低下の原因となり、免疫力が低下すると円形脱毛症のきっかけになることがあります。
免疫をあげることは、円形脱毛症の再発予防につながるのです。
免疫をあげるためには、自律神経がバランスよく働いていることが大切です。
自律神経には交感神経と副交感神経があります。交感神経はおもに日中、活動している時に優位になり全身の活動力を高める神経で、血圧を上げたり、血液を筋肉や脳に集める働きがあります。副交感神経は夜間やリラックスしているときに優位に働き、内臓の機能を高めたり、体を回復させる作用があります。
自律神経のバランスを整えて免疫をあげるためには、どのようなことをしたらよいのでしょうか。
頭皮を健康な状態に保ち、免疫機能を維持するためには、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどバランスのとれた食生活が大切です。脂肪や糖分の摂り過ぎは控えましょう。
免疫細胞の約7割が腸にいると言われており、腸内環境を整えることも疫力アップにつながります。食物繊維が豊富な食品やヨーグルトや納豆、味噌などの発酵食品がおすすめです。
参考:https://www.nhk.or.jp/kenko/special/jintai/sp_6.html
体温が高いとリンパ球が増えて活性化し、免疫機能が高まります。体が温まると血管が拡張して副交感神経が優位になりリラックスしやすくなるので、入浴はぬるめのお湯でゆっくりとつかるとよいでしょう。根菜類、イモ類、しょうがなど、土の中にできるものは身体を温める作用があるといわれます。
昼は交感神経が、夜は副交感神経が優位に働くという自然な切り替えをするためにも、睡眠のリズムを整えましょう。
夜、眠くなるのはメラトニンというホルモンの働きです。朝は日の光を浴びて体内時計をリセットしてぐっすり眠りましょう。
朝食で肉や魚、豆腐や納豆などの大豆製品、牛乳やチーズなどの乳製品、ナッツ類、バナナなどのたんぱく質を摂ることがメラトニンの分泌を増やし、質の高い眠りにつながります。
強いストレスが原因ならメンタルケアも
長期間にわたって強いストレスが続くと自律神経の働きが乱れ、常に交感神経ばかりが優位になってしまうことで免疫機能が正常に働かなくなってしまいます。
体がストレスを感じて自律神経が乱れてストレスホルモンが大量に分泌されると、免疫力の低下につながってしまうのです。免疫機能が正常に働き円形脱毛症を防ぐためには、日頃からストレスをためないようにリフレッシュできる時間を作るようにしましょう。
ストレスは円形脱毛症と深く関係しているとも言われていますが、自分ではどうにもできないときもありますね。強いストレスを感じる時には、カウンセラーや専門医師に相談して、ストレスの原因を取り除くメンタルケアを受けることをおすすめします。
円形脱毛症の再発防止に適度な運動を取り入れよう
適度な運動は免疫機能を高める効果があり、筋肉を動かすことで発熱し、血行がよくなります。
体温が1度低くなると、免疫力が約3割低くなると言われています。筋肉量と体温は比例しているので、筋肉をつけることで体温アップ、基礎代謝の向上につながります。
通勤しながら職場まで歩く、階段を利用するなど適度な運動で体を疲れさせると眠りやすくなり、質の良い睡眠はストレス解消にもつながります。ストレッチも血流の促進やリラックス効果、疲労回復の効果があります。
無理をせず自分のペースで適度な運動を生活の中に取り入れて免疫力をアップし、円形脱毛症の再発を予防しましょう。
円形脱毛症の再発防止に頭皮マッサージもこまめに!
頭皮マッサージは血行をよくして適度な刺激を与えることで髪の成長が促進されることだけではなく、リラックスさせてストレス解消にも役立ちます。
頭頂部の百会(ひゃくえ)や四神聡(ししんそう)を、中指の腹で各3回ほど刺激して押してみましょう。
頭のてっぺんの中心に百会、百会から前後左右に四神聡というツボが4ヶ所あります。四神聡の位置は、百会の指1本外くらいです。頭頂部の百会や四神聡を刺激することで血流が改善され、自律神経系の不調や不眠、ストレスなどを改善する効果があるといわれています。
耳の上の先端部分で髪のはえ際にある角孫(かくそん)は、頭皮の血行をよくするツボです。
強く押しすぎると血液の流れを悪くしてしまうことがありますので、指の腹で気持ちいいと感じるくらいの強さで押します。
角孫に親指の腹を当てて、困った時に頭を抱えるような感じで、頭を両側から両手で包み込むように、「百会」と「四神聡」のあたりに親指以外の4本の指をあてます。4本の指を頭頂部から側頭部へゆっくり移動させながらマッサージを行いましょう。
お風呂や仕事の合間にマッサージをこまめに行ってみてはいかがでしょうか。
参考:https://www.fnn.jp/posts/00358581HDK
まとめ
再発を防ぐためには、免疫力を高めて頭皮を健康的な状態にすることはとても大切なことです。
生活習慣を見直して自律神経を整え、免疫力をアップしましょう。