円形脱毛症になってしまうのはストレスと関係があるの?

2020.2.28

2020.2.28

13 view



いつの間にか、頭に丸いハゲができていた…。
そう気づいたときには、誰もがショックを感じるのではないでしょうか?

円形脱毛症は突発的に起こる脱毛症で、ちょうど10円玉くらいの大きさに脱毛することから「10円ハゲ」などとも呼ばれています。
「円形脱毛症になったのは、ストレスが原因」と思っている方が多いようですが、実際のところはどうなのでしょうか?
今回は、円形脱毛症とストレスの関係について解説します。

ADS PC

ストレスは免疫機能の異常が発生する要因にもなる

ストレスは、免疫機能の異常が発生する要因にもなるといいます。
これはどういうことなのでしょうか?

 

私たちの身体には、外から入ってきたウイルスや細菌などを排除するための免疫システムが備わっています。
白血球にある免疫細胞が活発に働くことで、私たちの身体を守ってくれているのです。
この免疫システムを司っているのが、自律神経。
そのため、自律神経のバランスが崩れると、免疫機能に異常が発生してしまいます。

 

交感神経は主に昼間活動しているときに優位になり、副交感神経は睡眠中やリラックスしているときに優位になります。
常にどちらかが働きながらバランスをとっているのが、自律神経です。

 

しかし、強いストレスを受け続けると、必要以上に交換神経が優位になるため、自律神経のバランスが崩れてしまいます。
自律神経のバランスが崩れると、免疫機能に異常が発生し、免疫細胞の働きが低下。
その結果、心身にさまざまな不調をきたしてしまうことに…。
つまり、ストレスは自律神経のバランスを乱し、免疫機能の異常を発生させる要因であるといえるのです。

参考:
https://www.kanagawas.johas.go.jp/publics/index/202/detail=1/b_id=764/r_id=80/

円形脱毛症は血行不良によって引き起こされる?

円形脱毛症は、血行不良によって引き起こされるのでしょうか?

 

男性に多い男性型脱毛症(AGA)や、女性に多くみられるびまん性脱毛症など、「脱毛症」といってもさまざまな種類があり、それぞれ原因も異なります。

 

しかし、遺伝やホルモンバランスの乱れ、生活習慣や食生活の乱れ、ストレスや加齢など、根本的な原因は違っていても、髪が抜ける現象を引き起こすのは、頭皮の血行不良や血行不良によって起こるヘアサイクルの乱れという点は共通しています。
つまり、髪が抜ける仕組みに「血行」が深く関わっていることは、間違いありません。

 

ところが、円形脱毛症は他の脱毛症とは異なり、年齢や性別に関係なく発症します。
はっきりとは解明されていませんが、円形脱毛症は自己免疫疾患の一つと考えられています。

 

自己免疫疾患とは、本来自分の身体を守るべき免疫システムに異常が発生し、自分自身の正常な細胞や組織を攻撃してしまう症状や疾患のことをいいます。
円形脱毛症は、細菌やウイルスを攻撃するはずのリンパ球が、誤って毛根を攻撃してしまうことによって起こると考えられているのです。

 

また、円形脱毛症を発症した人にアトピー素因を持っている人が多いことから、アトピー性疾患を併発する場合も多く、深い関係があるといわれています。

 

円形脱毛症は、「血行不良によって引き起こされる」というよりは、「自己免疫の異常やアトピー素因によって引き起こされる」といえるようです。

参考:
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AA_GL2017.pdf#search=%27%E5%86%86%E5%BD%A2%E8%84%B1%E6%AF%9B%E7%97%87+filetype+pdf%27

ストレスは円形脱毛症を引き起こすトリガーである考え方もある

「ストレスは、円形脱毛症を引き起こすトリガーである」という考え方もあります。

 

繰り返しになりますが、円形脱毛症は自己免疫疾患の一つといわれています。
「円形脱毛症はストレスが原因」というイメージが強いですが、残念ながら科学的根拠はありません。
しかし、ストレスによる影響が全くないとも言い切れません。
ストレスは、さまざまな疾患を引き起こすトリガーであると考えは、自己免疫疾患に関しても同じです。

 

上記でも解説しましたが、私たちの身体は、ストレスを受けると交感神経が優位に働くようにできています。
これは、身体がいわば戦闘態勢に入るからで、血管を収縮させたり、血圧を上昇させたりして、いつでも動ける準備をするためです。

 

ところが、強いストレスや長時間ストレスを受け続けていると、交感神経ばかりが優位になり、自律神経のバランスが崩れてしまいます。
これにより、免疫機能にも異常が発生し、身体にも悪影響を及ぼしてしまうのです。
常に戦闘態勢でいては、心身ともに参ってしまうのも当然ですよね。

 

つまり、ストレスは自律神経のバランスを乱し、免疫機能に異常を引き起こすトリガー。
そして、その結果発症した自己免疫疾患や円形脱毛症を引き起こすトリガーであるともいえるのです。

参考:https://www.enkei-datsumou.com/enkei/genin/

まとめ

円形脱毛症は、ストレスによって起こると思われていましたが、最近は自己免疫疾患の一つと考えられています。
しかし、ストレスが円形脱毛症を引き起こすトリガーであると考えるのも、間違いではありません。
ストレスはさまざまな疾患を招く要因となることから、自己免疫疾患や円形脱毛症とも深い関係にあるといえるでしょう。

TOP